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溺愛の理由 パートII。

(パートI のつづき)

 

手術は、午前5時に開始された。

見学も可能だった。

今の私なら、迷わず行ってただろう。

 

でも、そのときは

「そんなに難しい手術じゃないみたいだし」

「仕事に行かないといけないし」

と、行かなかった。

 

人間風寝方

実際、「手術は成功し、今は麻酔で眠っている。」と連絡を受け

これでもう心配が無くなった、と安心もした。

 

入院は一泊。

翌日には迎えに行くことになっていた。

あは?!

 

 

そして、翌日。

 

すぐに会わせてもらえるだろうと思ってたのに

長い長い待ち時間と、長い長い獣医の説明が続いた。

 

なんでシャンスが出てこないの?

説明なら後からでもゆっくり聞けるのに。

 

いい加減、ソワソワし始めた頃、

ようやく、シャンスが看護師に抱えられて、私達の前に現れた。

 

 

出てくるときは、必ず笑顔で「おかえり」と言おうと決めていたのに、

見た瞬間、言葉を失った。

終わったよ。

 

現れたシャンスの姿は

首にエリザベスカラーとカテーテルが巻かれ、

右後ろ足から背中にかけて、地肌が露になるほど剃りあげられ、

お腹の部分に、痛み止めのパッチ、

右後ろ足膝には、生々しい縫い跡が見事に露出していた。

多摩川。

笑おう、絶対笑顔で迎えようと決めていたのに、

どうしても、どうしても、それができなくて

ただただ、麻酔から醒めたばかりの痛々しいシャンスを見ていた。

 

「シャンス」

私が言えたのは、ただこの一言。

 

その声が届いたのか分からないけど

シャンスのまだ焦点の合わないうつろな目が私に向けられた。

 

そして、静かに尻尾を振った。

大丈夫。

胸が締め付けられた。

 

 

帰りの車中、それまで聞いたことの無いようなひ弱な声で鳴いていた。

必死に痛みに耐えてるのがひしひしと伝わってきて、

私は、とにかくバカみたいに一人喋り続けた。

手術とは関係のないことを、ただただ喋り続けた。

そうしないと声を上げて、泣きそうだった。

も、かんねんして・・・

 

診察室から現れたシャンスの姿、

頼りなく、でも、確かに振った尻尾。

「頑張ったよ。大丈夫だよ。だからそんな心配そうな目で見ないで」

と言われた気がして

私は、お風呂で何度も泣いた。

 

 

あんな小さな体で手術、よく耐えたね。

ひとりぼっちで寂しかったよね。怖かったよね。

ごめんね。シャンス、何もできなくてごめんね。

そう思いながら泣いた。

クリスマス

その出来事は、私のシャンスに対する思いを一変させた。

それまでもシャンスのことは、好きだし、大切だったけれど、

明らかに自分の中の何かが増幅した。

 

 

まともに走れるまで、半年を要した。

今では皆さんの知ってる通り、

とても手術が施されたとは思えないほど走り、飛ぶ。

とぶ。

今は元気一杯で、パワーを持て余している。

毎日、シャンスの思う存分、走らせてあげられない現実があるのが悔しいぐらいだ。

 

 

犬の十戒の最後は、この文章で締めくくられている。

「忘れないで・・・私はいつもあなたを愛しているという事を」

 

シャンス、

同じように私も願う。

いつも愛しているという事を忘れないで、と。

 

シャンス、

あなたの時計は、私の時計の何倍も早く針を進めている。

だから、この日は嬉しいけれど、同時に寂しい。

 

シャンス、

これからもずっとずっと元気で、私の側にいてね。

 

4歳になりました。

シャンス。

4歳のお誕生日、おめでとう。


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しゃんす | comments (63) | edit | page top↑
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